ピロリ菌は『胃炎』・『胃潰瘍』、さらには『胃がん』などの胃を中心とした病気の原因として注目されています。検査の方法として内視鏡を用いて胃の組織を直接調べる方法と、血液や尿、便などから調べる方法、吐く息に含まれる物質を調べる方法の3つがあります。
感染は、免疫抗体ができあがっていない子供の口からの感染が主となります。
成人でも感染の可能性はありますので、衛生状態の悪い地域の生水などには注意してください。
世界的医学雑誌に掲載された研究報告により、ピロリ菌を除菌することで胃がんが発症する確率を約1/3程度に減少できることが明らかになりました。
また、日本ヘリコバクター学会のガイドラインでも、すべてのピロリ感染症を除去することを強く奨励しています。しかし、胃がん予防効果が明らかになっているものの、現状では保険診療によるピロリ菌の検査・除菌療法は胃もしくは十二指腸潰瘍の患者様、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんの内視鏡治療後の患者様とされております。平成25年2月より保険診療の適応にヘリコバクター・ピロリ胃炎の患者様が追加されました。ただし、診断には内視鏡検査による胃炎の確認が必要です。
当クリニックでは、保険適用とならない場合のピロリ菌の検査・除菌を希望される方へ、全額自費ではありますが『ピロリ菌除菌療法』を行っております。なお、これまで、胃カメラを行ったことがない方については、まず、胃の中に癌などがないことを確認するため、内視鏡検査をお受けすることをお勧めします。尚、ペニシリン(抗生物質)にアレルギーのある方については、除去治療はできません。
(1) ピロリ菌の有無を下記のいずれかの方法で診断します。 ※結果は約1週間で出ます。 |
検査の結果、ピロリ菌が検出されなければここで終了です。
診断の結果、菌が陽性ならば引き続き除菌療法を行います。
(2)一次除菌療法を行います。 |
(3)一次除菌療法の結果判定をします。(2)の一次除菌療法終了後、1~2ヵ月後に結果判定が必要です。 |
尿素呼気試験
判定の結果、除菌できていればここで治療終了となります。
判定の結果、再度菌が検出された場合は二次除菌療法を行います。
(4)二次除菌療法を行います。 |
(5)二次除菌効果判定を行います。(4)の一次除菌療法終了後、1~2ヵ月後に結果判定が必要です。 |
尿素呼気試験
判定の結果、除菌できていればここで治療終了となります。
判定の結果、再度菌が検出された場合は経過観察の上今後の治療方針を決定いたします。
※対象:胃もしくは十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんの内視鏡治療後以外の患者様で、ピロリ菌の検査・除菌を希望される方