あなたの胃はどのタイプ?
血液検査で簡単胃がんリスクスクリーニング!
“胃がんは心配だけど、胃バリウム検査や胃カメラ検査は面倒だし、苦しそうだから嫌“という方にお勧めするのが血液検査で簡単に行なう胃がんリスクのスクリーニング検査で、ABC検診と言うものです。ただし、ABC検診は胃がんそのものを見つけ出す検査ではありません。
胃がんにはヘリコバクター・ピロリ菌の感染とそれに伴う胃粘膜の萎縮が強く関与しているものがあることがわかっています。ヘリコバクター・ピロリ菌の抗体価検査と胃粘膜萎縮(老化)マーカーのペプシノゲン検査とを組み合わせて、胃の健康度(胃がんリスク)をABCの3グループに分類するのがABC分類です。もし、ハイリスクグループの診断であれば、より積極的に精密検査(上部消化管内視鏡検査)を受けていただくことが必要と判断できます。
主に幼少期に感染し胃の中に棲みついて胃炎を起こす細菌です。胃炎を繰り返すことで胃粘膜を萎縮させ胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの発生に強く関与します。(感染しているからといって必ず胃潰瘍や胃がんが発生するわけではありません。)ピロリ菌感染の有無は、ピロリ菌抗体価を測定することでわかります。
消化液の元になるもので、血中濃度を測ることで胃粘膜でのペプシノゲン産生の程度がわかります。血中ペプシノゲン量が少ない場合は胃粘膜が萎縮していることを示します。
ABC分類 | ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査 | ||
陰性 | 陽性 | ||
ペプシノゲン検査 | 陰性 | A群 | B群 |
陽性 | D群 | C群 |
ABC分類グループ別の胃がん発見頻度
同じ日の上部消化管内視鏡検査で発見された胃がん
ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査 | |||
陰性 | 陽性 | ||
ペプシノゲン検査 | 陰性 | A群 0% | B群 0.21% |
陽性 | C、D群 1.87% |
A群からは胃がんが発見されませんでした。
C・D群からは高率に胃がんが発見されました。
ペプシノゲン法(陰性)・ヘリコバクター・ピロリ抗体価(陽性)のB群からも胃がんが発見されています。
上記1)、2)の結果を踏まえて、B・C・D群の方は精密検査の上異常がなければ引き続き下記の検診間隔で上部消化管内視鏡検査を受けることをお勧めします。